屈託のない笑顔

とても美味しい冷やし中華があるということで、冷やし中華を作ろうかと想い、食材を買いに来る。近くのスーパー、その外には幾つかの野菜が置いてある。じゃがいも1個が28円だという。

 

隣にいたおばちゃんに話しかける。

 

「これ、このじゃがいもは1個28円っていうのは安いんですかねー?」

「えぇ。安いですよ。1個35円とかしますよね。28円だと安いですよ。」

 

やっぱり安いのか、と想っていたらおばちゃんは続いて、

 

「ちょっと悪いんだけど・・・」

 

と言いながら、値付けの書いてある紙を捲りだして

 

「こうして捲ると前のやつがあるでしょ?これは、、、1個45円ですって。1個45円で売ってた時があったんじゃないですかね?」

「へぇーっ!?これは驚きましたね。今まで気付きませんでしたよ。これ、前のやつが残ってるんですね?というか、よく気付きましたね。驚いたし、いいことを知りましたよ。」

「これ、ワザと残してるのかしら?踊らされてる(笑)?」

 

お母さんくらいの歳だったのか?

とても笑顔がキレイだった。

 

まぁ何というか子どもが笑う時の様な、屈託のない笑顔で、不信社会、不安社会の世の中とは思えない無防備で、しかし愛嬌を感じる表情。

 

旧い値付けが、捲ったらまだ残っていたことにも驚いたし、いいものと出会った気がするのだが、しかしこの方に観る愛嬌と比べるには至らない。