忙しいという漢字。忘れるという漢字。

知らない人に声をかけていると、そのシチュエーションにもよるがそれが歩いている人の場合は、大体にして話を聞いてくれない。

 

そのときに、一番多い断り文句。

「急いでいるので」

 

何か予定や用事があって、目的があって、移動しているところを、島崎は声をかけているのだ。その人にとっては、その目的を一瞬間であっても島崎に妨げられることになる。少しでも話を聞こうとするものなら、予定や用事に支障をきたす可能性だってある。

 

急いでいるというのはそういうことだ。

 

しかし、多くの人が皆んな急いでいるというのは何とも忙しい社会になってしまったものだ。この忙しい社会が、多くの人に幸せや豊かさをもたらすものであれば、忙しくても、人生はとても豊なんだろう。

 

今の時代、

この日本では、

 

どちらかというと、暗い話題の方が多い。

 

この忙しさのために社会は豊かというよりは暗鬱で閉塞感が漂っているといっても過言ではないと想う。1人ひとりの忙しさは、既にこの社会から、何か大切なものを亡くしているかのように思えるのは島崎だけだろうか?

 

ここで、忙しいという漢字を見てみたい。

 

りっしんべん(心)に、亡くす、と書いて忙しい。

心を亡くすという文字が、忙しいという文字。

 

皆さんは、何を思うだろうか?

 

ここで、忘れるという漢字を見てみたい。

 

上段に亡くすと書き、下段に心と書いて、忘れる。

心を亡くすという文字が、忘れるという文字。

 

忙しいという文字も、

忘れるという文字も、

 

同じ「心」を「亡」くすと書く。

 

このことに気付いたとき、

ハッとさせられた島崎がいた。

 

皆さんは、何を思うだろうか?